野上医療グループTQM

2020年度 TQM内容

2020年度 TQM内容

玉置院長講評(審査委員長)

玉置院長(審査委員長)

12月も半ばになってきました。コロナ感染者数がまだ増える一方ですが、医療体制の逼迫する中、毎年、肺炎やや心疾患などコロナ以外の疾患も増加する季節にまってきており、当院も例年以上に多忙になってくるものと思われます。肺炎の場合はコロナとの鑑別が必要となり、神経も使い大変なことでしょう。

恒例のTQM大会が開かれました。今年度は、コロナ対策のためメイン会場のリハビリ室とサテライト会場の5階会議室などに分かれて開催しました。このコロナで大変な時期に素晴らしい発表をして頂いた各グループの方々に敬意を表したいと思います。

3階病棟(回復期リハビリ病棟・go to home)

テーマ 患者の望む社会復帰・在宅復帰を目指す
どの患者さんもADLが向上し、自宅に帰るようになりたいという思いを持っていますが、この時にキーとなるのが摂食機能です。食べることは、生きる事のための基本的な欲求であり、QOLに大きく関係します。3階病棟では、看護師がセラピストと協働して摂食機能訓練に取り組むことにより最善の状態で患者さんが社会復帰できることを目指していること。未経験なスタッフでも見学から始めて全員が摂食機能訓練を学び携わった結果、8か月で763件達成したということです。

平和苑(グループホーム)

テーマ 少ない人員でもケアの質を向上していくために
平和苑は、認知症の方のケアを行っている施設ですが、スタッフの人数不足もあり、業務に追われて入居者とかかわる時間が減り、職員の肉体的、精神的な負担が大きくなってきていたので、業務改善を行った。ケアの質を高めるためには、入居者に直接ケアのできる時間を、つくるために食事1品を調理済み食品にすることや掃除の簡素化で確保することができたこと。認知症をもつ高齢者に対し、一人の人間としての尊厳を重視するためのケアを心がけていることがわかり感銘を受けました。

4階病棟(医療療養型病棟)

テーマ 療養病棟の業務改善
長期入院患者だけでなく、癌末期患者なども増えていますが、日々、頑張っています。

いかに業務を能率化し、しかも看護の質を高めるための業務改善の取り組みについての発表がありました。患者ファイルについては、書類がきちんとそろっているか師長と主任で確認、各種業務の見直し、摂食機能訓練の開始など師長、主任がリーダーシップをとって、患者さんに安心した療養生活を送ってもらえるように管理体制を強化するための努力が伺われました。

外来

電子カルテ導入1年を過ぎましたが今だに、次にどこへ行っていいか、困っている患者さんを見かけるということで、このような迷子患者なくするための対策発表でした。

まず、基本伝票の表記を11月20日から回る順番がはっきりとわかるように変更し、スタッフ全体で方法を統一するようにしたこと。処置室前の基本伝票提出先の掲示を大きく目につきやすくして、3か所に掲示をしたこと。これは、ビフォー、アフターの写真を見せてもらいましたが、確かにわかりやすくなったと思います。そのほかフロア案内図や再来受付機の使用方法の文書を作って必要な時は渡せるようにしたとのことで迷子患者さんが減少してきているようです。

リハビリテーション部(3階病棟移乗移動班)

テーマ 患者様の能力を引き出そう!
3階病棟のリハビリ移乗、移動班からは、患者様の能力を引き出そうと題して、評価基準の作成と安静度周知方法についてという発表でした。回復期病棟の施設基準より早期にFIMの向上を達成し、適切な時期に退院することが必要ですが、できるだけ患者さんの能力に応じての移動手段の選択や活動性向上を図る必要があり、その場合実際できるFIMを歩行自立度判定表、評価表を作成し評価を行いました。その評価に基づいて安静度を変更し、できるFIMと、しているFIMの差をできるだけ少なくすることで、患者さんの持っている能力を最大限、引き出すことによりFIM向上に繋げていこうというものでした。

福祉部 訪問看護ステーション希望

テーマ グループホームと訪問看護ステーション連携強化
看取りのできるグループホームとの連携体制を整えることができたという発表で、グループホームの職員の職員へのアンケートから、入居者のリストづくり、看取りについての勉強会をひらくなどの交流で信頼関係を築いていったとのこと。実際の看取りでは、事前に勉強会を行って看取りの流れを理解して24時間介護する職員の不安軽減に繋がったとのこと。これからはますます、超高齢化社会になってくるため、グループホームなど施設での看取りの必要が増加してくると思われますが、職員と訪問看護ステーションとの強い連携の下で、家族に信頼され、本人も安心して最期を迎えられる体制が必要です。 

2階病棟(急性期病棟 感染対策隊)

テーマ 感染予防の徹底を図る
VRE対策を経験しての学びを通してという発表でした。2階病棟では、昨年12月から10数名のVRE感染患者が、実際は保菌者だったのですが、発生しました。VREは、接触感染で伝播するため今まで実施していた感染予防策を見直し、手指衛生、PPEの着脱、分別ゴミなどの正しい方法を実施するために掲示物を作成、視覚に訴えスタッフで統一したことはよいことだと思います。また、患者のケアの中にもADLに合わせて手指衛生を取り入れていったことも、院内感染の防止に繋がるものと思います。今回の取り組みで院内感染防止への全員の意識が高まったことは大きな成果と思われます。又、この考え方はCOVID-19対策にも適応できると思われます。

手術室(虹レンジャーℤ)

テーマ 患者様の手術室での「待ち時間0」を目指して
とくに眼科患者さんの手術室入室後の待ち時間の短縮についての試みの話でした。眼科の手術時間は短縮傾向にありますが、術前の患者さんが手術室で長く待たされることは、ストレス、不安の原因となることから、手術室の看護師が手術の進行に合わせて病棟に患者さんを迎えにいく事で待ち時間の短縮が図れたとのこと、術後の病棟への搬送についても昨年の発表のように手術室看護師が行っており、合計待つ時間の短縮により患者サービスが図れているとの発表でした。

今回のTQM全体を通して、どのグループにおいても当院の基本理念である患者さんのための医療ということを中心に見据えて、熱い思いで医療の質の向上に取り組んでいる姿勢が伝わってきて、感動しました。いつも話しているようにTQMは終わりのない過程です。これを新たな出発点としてさらなる改善を目指していきましょう。

2019年度 TQM内容

令和1年度 TQM

玉置院長講評(審査委員長)

玉置院長(審査委員長)

令和元年12月7日に院内TQMが開催されました。
昨年に引き続き審査委員長を務めさせていただきましたが、10部署より、それぞれ素晴らしい発表がありました。どのグループも患者本位の医療ということを中心に考えていること、患者さんに寄り添う時間や患者さんの安全、安心のためには、業務の効率化は欠かすことができないことや災害対策についての内容などを発表に盛り込まれていました。

3つのグループには特別賞として、表彰させて頂きましたが、その他のグループについてもすべて素晴らしい発表であったので紹介をさせて頂きます。
各発表にいたるまでには、日常の業務の中においてテーマの選定から発表にいたるまでの大変な努力に敬意を表したいと思います。

2階病棟(急性期病棟)

多職種カンファレンスを通して、患者さんのADL向上を図っているという発表内容です。まず、各チーム看護師がペアで朝から受け持ち患者さんの陰部洗浄やおむつ交換を行い同時にその日の状態を把握していくようにしたこと、申し送り時間の短縮によりリハビリスタッフなどと交えた多職種カンファレンスを週5回行い、種々の視点から、問題点や対策などを話し合うことにより可能な患者さんは、ディルームで食事をしてもらうなど、離床率の向上に努めた成果を得ているとの発表でした。

3階病棟(回復期リハビリ病棟)

3階ワンチームからは、「患者に寄り添う時間を増やし、看護ケアの充実を」という題で、リハビリだから入院中だからというような押しつけの看護にならない、安全安楽で在宅復帰の支援が出来るよう時間の余裕を作る目的から、環境整備、詰所内の動線の整備や業務の分担の工夫を図ってきた結果、効率的な動きに成功したこと。それによって患者さんのケアに費やすことのできる時間を生み出すことができ、スタッフ全体で看護の質を高めることができたとの発表でした。

4階病棟(医療療養型病棟

長期間寝たきりで全面介助の方が多く、また、最近ではターミナルなどの重症な患者さんの比率が高くなっており、20対1という看護基準の中で対応するためには、少しでも「ムリ、ムダ、ムラ」をなくする業務の効率化は、絶対に必要なことです。4階の業務改善していき隊グループではできるだけ動線を短縮してムダな動きがなく業務分担を書いたホワイトボードが見えやすいように詰所の配置を変更し、業務の時間短縮につながった話でした。

外来

患者に寄り添うための外来看護の取り組みとして、泌尿器科の待ち時間短縮の話がありました。
泌尿器科の外来診療では特殊な検査や説明などに時間を要することで診察時間が遅くなり、待ち時間が長くなるための患者教育を看護師が行うことで、患者の満足度を高めることができたということです。可能な範囲で患者さんに寄り添う看護を行い、満足度を高めて頂いていることに感謝します。

手術室

最も件数の多い眼科の手術後の患者さんを出来る限り手術室の看護師が移送することにより、病棟に帰してあげる時間が短くなったという発表でした。最初に手術室で待たされる患者さんの心理が、インパクトのある形であらわされた動画が示され、患者さんの不安の解消に役立っているという事が強調されていた発表となっていました。

訪問看護ステーション

「災害対策~自助を目指して~」という題ですが、昨年の台風21号の災害の教訓から、防災対策の三助、自助、公序、共助のうち自助として「自分で自分を守る」に焦点を当て、利用者や家族の自助力を向上させると同時にステーションでの自助力の向上にも取り組んできた話で、利用者については対策ができているかの意識調査やパンフレットによる説明、職員については、勉強会や実際の搬送訓練をしながらの搬送方法の確認など努力されていることが良く分かる発表でした。

透析(野上泉州リハビリテーションクリニック)

クリニック透析室は昨年の台風21号で窓が破損し、一部が水浸しなるなどの被害を受けましたが、この教訓から現在の透析室における防災対策を見直した話で、窓に養生テープを張って補強、機材の配置を考えるなど、ハード面の対策と、南泉州透析連絡会での情報交換、職員同士のラインでの連絡網、患者さん用の防災ポスターの作製や人工透析カードを持ち歩くなどの教育についての発表でした。

福祉部:ケアプランセンター

書類の雪崩を食い止め隊と称した、書類倉庫の整理整頓の発表です。介護保険ではサ-ビス事業所も居宅介護事業所もサービス適用が終わってからの5年間は保存が必要とのこと、そして、何らかの必要なことが起ったとき取り出せる状態にしておくことが必要ですので当然整理整頓が重要となります。倉庫が2つにして、きっちり保存用と廃棄用に分けることができたとのこと、整理、保存、管理についての発表でした。

検査室

検査は、病院の診察の要です。今回、新しい機器更新を行ったため機器トラブルが減少したこと、試薬購入費が20%節約できたこと、そして、院内の精度管理ではウェブを用いた毎日の精度管理と年に1回の外部の精度管理にも参加し移転前よりも高制度となっている地道な努力の発表でした。

リハビリテーション部

クリニック・リハビリテーション部では、診療報酬改定に伴い、維持期リハビリテーションについては、個別療法を週1回に制限しなければならなくなったため、身体能力や動作機能を落とさないために、自主訓練プログラムを作成し、それに基づいた指導をおこなっているとの内容でした。患者さんからもわかりやすいと反応が返ってきているとの事などの発表でした。

2018年度 TQM内容

平成30年度 TQM

玉置院長講評(審査委員長)

玉置院長(審査委員長)

さて、12月1日の土曜日は院内のTQM大会でした。
9つの部門のチームからそれぞれ素晴らしい発表がありました。
審査委員長を務めさせていただきましたので、それぞれの発表の簡単な紹介をさせて頂きます。

放射線科

まず、放射線科のポータブル撮影の時、カセッテを入れるときの痛みを軽減させるために、素材を工夫したうえ柔らかいカバーを使用して苦痛を軽減することを職員のボランティアで検証した上で患者さんに使用したという、患者さんに優しい取り組みでした。

急性期病棟2階

次に、2階は急性期病棟で大変忙しいため、ナースコールにすぐに対応できなくて苦情をいわれたことがあるから、できるだけスムーズに対応するために限られた数のPHSを有効に活用する、詰所にあるナースコールの親機がみやすいようにカルテ記載場所を変えるなどのレイアウト変更など具体的な対策により、時間短縮に成功したという話でした。

回復期リハビリテーション病棟 3階

また、3階の回復リハビリテーション病棟からはホールでランチタイムを過ごしてもらって離床率の向上を図る取り組みでリハビリスタッフや栄養士も協力し、懐かしい昭和の歌を流して楽しい食事の雰囲気づくりを工夫することにより、ホールで食事をする患者さんが増え、実際離床率、排泄アップ率、在宅復帰率が向上したというデータも示されました。

透析

次は透析室からで、高齢者や糖尿病などの疾患の増加により血管のトラブルが発生する患者さんが増えている中でシャントのエコーを導入して早期に対応出来るようにスタッフ全体でエコーの知識と技術を高めており、穿刺時の患者さんの苦痛軽減にも役立っているとの話でした。

外来

外来からは外来患者の増加で処置待ちに対する苦情が多い事への対応として専用ボックス、処置カードを作成し、できるだけ流れを単純化したこと、予約制を導入したこと、採血スペースを確保して一度に採血可能な人数が増えたことなどや医療者間の連携で患者さんの待ち時間が短縮できた話でした。

事務部

次に、事務部から、事務部に5S活動を導入してというテーマで発表がありました.5Sとはトヨタなど日本の企業から始まった考え方で、整理、整頓、清掃、清潔、躾の5項目のSで、職業環境改善により作業の効率化を図るとともに職員のモチべーション向上にもつながるものですが、事務部はこのスローガンを部門全体に徹底させることにより、整理整頓、効率化につながっており、さらに患者サービスの向上に努めたいとの話でした。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーション希望から利用者、家族によりそう看護を目指してという題での発表で、地域包括ケアシステムの中でますます在宅医療の必要性が増しており、終末期ケア、自宅での看取り件数が増えてきており、年間看取り件数は15件に達しています。看取りを行った患者さんについては所内でデスカンファレンスを行い看取りの内容について振り返り共有しているとのこと、また新規紹介患者さんを増やすため病棟外来でアンケート調査、プレゼンをして認知度を高めているとの話もありました。

療養病棟4階

次に4階の療養病棟からはポジショニングによる褥瘡予防・改善を目指すというテーマです。寝たきりの患者さんでは2~3時間ごとに看護師・看護助手が体位変換を行っているのですが、患者さんごとに最適なポジショニングが違っており、不適当であると拘縮や褥瘡の悪化を招いてしまいます。PT,OTと相談の上、誰にでもその患者さんの良肢位がわかるポジショニング表を作成し、これをみながら体位変換を行うことにより褥瘡患者の減少、改善がみられたという話でした。

リハビリテーション部

最期にリハビリテーション部からでしたが、新病院移転に伴い3階、4階にもリハビリテーションスペースが設けられ、既存のリハスペースに加え病棟内でもリハビリを提供できるようになり多くのメリットが生じましたが、スペースが限られていることか約1年たった時点で十分活用できていないとの意見もあり、器具の配置やレイアウトの変更を行いより多くの患者さんが効率よく利用できるようになったとのこと。限られたスペースをより効率的に改善していこうという工夫が感じられました。

以上、9つのグループについて駆け足で紹介させて頂きました。3つのグループにつきましては特別賞として表彰させていただきますが、その他のグループも全て素晴らしい発表であり、また、発表に至るまでの大変な努力に敬意を表したいと思います。
今回の発表を聞き、職員全体でチーム医療の実践が進んできていることが感じられました。
TQMの過程は終わりがあるものではありません。今回の活動を行っていて色々な今後改善すべき問題点も見えてきたかと思います。業務の改善が、患者満足、職員のモチベーション向上、病院の経費節減、収益向上に繋がることが、TQMの最終目的です。今後も皆様とともに頑張っていきたいと思います。

TQM 発表チーム

ページ上部へ